1. 嵐(ARASHI)|“国民的グループ”から世界戦略へ
特徴:
- 配信解禁の先駆者(2019年〜)
- Spotify, Apple Music, Amazon Music等、全世界同時展開
- 米津玄師作「カイト」、Bruno Marsプロデュースの「Whenever You Call」など、外部著名アーティストとのコラボが話題に
傾向:
嵐はデジタル開放の“象徴”とも言える存在。YouTubeチャンネル開設からは、ライブ映像、過去MV、メイキングを含めた“総合アーカイブ”的運用を行い、ファン以外のアクセスも広く獲得。活動休止以降も再生数は安定しており、“遺産としての強さ”を感じさせる。海外ファン向けの英語字幕導入など、グローバル展開の意志も見られる。
2. King & Prince|王道×多様性、戦略型アイドルのデジタル適応
特徴:
- YouTube公開MVは**「シンデレラガール」など再生数1億超え**
- Spotifyなどでも安定したストリーミング人気
- ファンクラブ限定コンテンツと一般配信のすみ分け戦略
傾向:
「王子様系」としてのブランディングを維持しつつ、YouTubeショートやTikTokなどでも積極的な露出を図る。2023年のメンバー脱退以降も、“音源の強さ”と“応援消費”の融合で、配信力はむしろ安定傾向に。楽曲ジャンルもR&B〜ダンスナンバーまで幅広く、サブスク時代のプレイリスト文化とも相性が良い。
3. Snow Man|パフォーマンス特化型 × 映像メディア戦略
特徴:
- YouTubeの再生回数で圧倒的数字を記録
- ダンスプラクティスや縦型MVなど映像特化コンテンツ多数
- サブスクよりもYouTube視聴が中心
傾向:
Snow Manの最大武器は“見る音楽”としての完成度。YouTubeでは「D.D.」や「ブラザービート」など、派手で息の合ったフォーメーションが評価され、SNSでのシェアも多い。再生回数はグループ内でもトップクラスだが、音楽サブスクではやや保守的で、アルバム丸ごとの配信は少なめ。ファンとの距離を保ちつつ、新規獲得にも成功している好例。
4. SixTONES|音楽性重視の“ロック・オルタナ路線”
特徴:
- Spotify・Apple Musicでのアルバム配信が早期から整備
- ロック〜R&B系の重厚なサウンド構成
- 「Imitation Rain」などのMVは芸術性も評価
傾向:
SixTONESは“ジャニーズらしくない音楽性”で、一般層や音楽ファンからの評価も高い。Spotifyでのプレイリスト入りも多く、若年層のヘビーユーザー層に支持されている。YouTube MVも高品質で、演出面にも妥協がない。配信戦略としては、SNSバズよりも音楽作品そのものへの浸透を重視しており、他グループとの差別化に成功している。
5. なにわ男子|Z世代直撃のSNS戦略と“かわいさ”の徹底
特徴:
- TikTok × MV連動での“音源バズ”を積極活用
- 「初心LOVE」はLINE MUSICで長期上位
- アニメ・ドラマタイアップにより認知度拡大中
傾向:
なにわ男子は、デジタルネイティブ世代に向けた“視覚的中毒性”が魅力。TikTokやInstagramでの拡散を意識した曲調や映像作りが徹底されており、バズ→配信再生という導線ができあがっている。YouTubeでもメイキングや裏側映像が人気で、“親しみやすさ”を配信に乗せて伝えている好例。
6. Travis Japan|グローバル志向と英語圏での配信戦略
特徴:
- 2022年にアメリカから全世界デビュー(キャピトルレコード)
- 英語詞中心の楽曲も配信
- TikTokでも海外からのアクセスが多い
傾向:
他グループと異なり、最初から世界市場をターゲットにした配信戦略を持つのがTravis Japan。Spotifyでは“J-pop”よりも“Dance Pop/Pop”カテゴリに入ることが多く、グローバル志向が強い。YouTubeコメントも英語中心で、インバウンド型のファンダム構築が進んでいる。
まとめ:配信戦略は「個性の発信装置」
グループによって配信戦略の軸が明確に異なるのが、現在のジャニーズ/STARTOグループの特徴です。
グループ | 主な強み | 配信型 |
---|---|---|
嵐 | 国民的支持 × 世界展開 | サブスク・YouTube・MV |
King & Prince | 王道と多様性のバランス | MV・サブスク・SNS |
Snow Man | パフォーマンス × 映像力 | YouTube中心 |
SixTONES | 音楽性重視 | サブスク主軸 |
なにわ男子 | Z世代向けSNS戦略 | TikTok・LINE MUSIC |
Travis Japan | 世界志向 | グローバル配信重視 |
配信とは単なる“視聴”手段ではなく、ファンとの“コミュニケーションのかたち”であり、“グループのアイデンティティを可視化するメディア”でもあります。今後も、グループの個性を活かした新たな発信方法に注目していきたいところです。
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