――時代を駆け抜けた“金と人気”のリアル――
ジャニーズ(現・STARTO ENTERTAINMENT)において、「年収」はタレントの人気・実力・マネジメント力の交差点といえる。これまで数多くのスターが誕生してきたが、その中で誰が最も稼いだのか?本稿では、推定ではあるが、**“歴代年収ランキング”**を通じて、時代ごとのビジネスモデルやファンとの関係性の変遷を読み解いていく。
◆ 歴代年収ランキング(推定・全盛期ベース)
順位 | タレント名 | 推定最高年収 | 主な収入源 | 全盛期年 |
---|---|---|---|---|
1位 | 木村拓哉(SMAP) | 約4億〜5億円 | ドラマ主演、CM多数、CD売上 | 1998〜2007年 |
2位 | 中居正広(SMAP) | 約3.5億〜4.5億円 | MC業、番組出演、CM、音楽 | 2005〜2015年 |
3位 | 嵐 | 各メンバー平均 約3億円以上 | ドームツアー、CM、TV多数 | 2010〜2020年 |
4位 | 東山紀之(少年隊) | 約2.5億〜3億円 | 舞台、ドラマ、MC | 1995〜2010年 |
5位 | 滝沢秀明 | 約2億〜2.5億円 | 舞台演出、TV、CM、俳優活動 | 2002〜2010年 |
6位 | 山下智久 | 約2億円 | 海外活動、ドラマ、CM、ソロ音楽 | 2007〜2015年 |
7位 | 長瀬智也(TOKIO) | 約1.5億〜2億円 | ドラマ、CM、音楽、バラエティ | 2003〜2015年 |
8位 | 岡田准一(V6) | 約1.5億円以上 | 映画主演、CM、高級ブランド契約 | 2010〜2020年 |
9位 | 平野紫耀(元キンプリ) | 約1億〜1.5億円 | CM、TV、ドラマ、ファッション | 2020〜2023年 |
10位 | 堂本光一(KinKi Kids) | 約1億円 | 舞台『SHOCK』、音楽、TV | 2000〜現在 |
※すべて税引き前の推定。事務所取り分含まず。メディアや業界関係者談に基づく参考値。
◆ 1位:キムタクは“圧倒的エンタメ総合商社”
ジャニーズ史上、最も“稼げた男”はやはり木村拓哉。ドラマ視聴率40%時代の中心人物として、1クールの出演料が1,000万円を超え、CMは常時7〜10本以上。1本3,000万円以上で年3億円を超えるCM収入があったともいわれる。
さらにSMAPとしての音楽活動・ツアー・映画なども合算すれば、年収は4億〜5億円規模が濃厚。当時のジャニーズが「俳優×アイドル×企業広告塔」というビジネスモデルを成立させた原点である。
◆ 2位:嵐は“安定×マルチプラットフォーム”
嵐は個人ごとに大きな年収格差はあったが、グループ全体として見ると非常に高水準。特に2010年代後半は**年間200万人規模のドームツアー×CM大量出演(グループ単位で10社以上)**を誇り、単独番組も多かった。
相葉雅紀、櫻井翔、二宮和也らはソロCM・ドラマ・映画で年1億円以上を安定的に稼ぎ、グループ内平均でも約3億円超と見られる。タレントとして“マルチ展開”の模範ともいえる存在。
◆ 所感③:中居正広は“MC転身”で年収爆伸び
中居正広は、SMAP解散後も年収が大きく下がることはなく、むしろ司会業という安定ジャンルで年収を維持・上昇させた稀有な存在。テレビ局の内部資料でも「1本100〜150万円前後×年間200本以上」とされ、CMを含めれば年収4億円弱に達した年もあったと推定される。
芸能界でも「司会者=長期安定収益」の典型。現在も一定の年収水準を保っている。
◆ 3位:舞台と長寿性の“東山・堂本光一”
意外に侮れないのが、舞台での長年の実績を持つ東山紀之と堂本光一。特に『Endless SHOCK』を20年以上座長として牽引した光一は、チケット収益・関連物販・地方公演まで含めると相当な金額を稼ぎ出している。テレビでの露出は少なくても、“リアルな動員力”と“制作サイドの立場”を持つ稀有なタレントである。
東山も舞台とTVの双方で根強い活躍をしてきたが、2023年の退所までに築いた資産は数億円規模とされる。
◆ 注目:現代の“高年収”は、より分散型に
2010年代までは「国民的スター1人に巨大な予算が集まる」という構造だったが、現在はグループ単位でのバランス展開+個人の活動の多様化が目立つ。平野紫耀や目黒蓮など、CM単価は高いものの、地上波中心ではなく配信・SNS・ファッション業界との連携で新しい収益源を築くパターンが出てきた。
YouTubeやInstagramの広告収益・ブランド契約も含めると、旧来のテレビ中心の年収モデルとは質が異なり、より“セルフブランディング力”が重要な時代に突入している。
◆ 分析:年収の“見えない部分”も大きい
ジャニーズは、かつて歩合制が少なく“固定給制”に近かったと言われる時代がある。特にJr.や中堅は年収が伸び悩み、SMAP・嵐・キンプリといった“超選抜”だけが稼げる構造だったとされる。
また、税金・マネージャーやスタイリスト費用・事務所との配分などで、表面の年収と可処分所得には大きな乖離があることも忘れてはならない。
◆ まとめ:ジャニーズ年収は「時代と構造」を映す鏡
ジャニーズの歴代年収を見ると、単に人気だけでなく、「テレビ中心の時代」「ライブビジネス拡大期」「SNS・動画時代」など**“時代の構造”と深くリンクしている**ことがわかる。
SMAP時代の“テレビの帝王”、嵐時代の“グループ×MC型”、現代の“デジタル×CM特化型”と、求められるスキルも変化してきた。そしてそれが、そのまま“年収の質”を変えてきたとも言える。
今後は、海外市場・プラットフォーム課金・自己発信力がさらに重要となり、「新たな億プレイヤー」はYouTube・グローバル契約・SNS課金など“非テレビ領域”から生まれる可能性が高い。
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